女性に「どんなときに性欲を感じるか」と尋ねるアンケートをすると、この排卵日前後を挙げる人が必ず一定の割合を占めます。これには、ホルモンの変動という明確な理由があったのです。排卵か起きるということは、妊娠のチャンスが高いということでもあります。その時期にあわせてテストステロン値が増え、セックスへの意欲を高めるこの仕組みには、生命誕生におけるプログラミングの神秘を感じずにはいられません。
また、先のアンケートで見逃せないのは「月経前」という回答です。排卵期とは対照的に妊娠のチャンスはとても低く、生殖においては性欲を高める意味はありません。坂口先生の報告を見ても、この時期、テストステロン値は低下しています。それなのに「セックスをしたい!」と思う女性が少なからずいるのは、なぜでしよう?
答えはふたつ考えられます。ひとつめは経験によるものです。望んでいないタイミングでの妊娠は、カップルに不幸な結末をもたらすこともあります。その点、月経直前となるとデキにくいとわかっているため、ふだんはきちんと避妊をしているカップルも妊娠の不安から解放され、直接触れあうことができます。こうしたセックスへの期待感が、性欲につながるのだと考えられます。
ふたつめは、ホルモンにその原因を求めるものです。排卵後に分泌されるプロゲステロンは、月経が始まる直前に、その量が急速に減ります。このプロゲステロンには、性欲を抑える働きがあるといわれています。月経が近くなるにつれテストステロンの量も減りますが、抑制するプロゲステロン値が低くなることで、相対的にテストステロンが優位となり、性欲を感じるのではないかという説です。
なぜ女性の性欲は増減するのか